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電気自動車に魅力を感じていませんでしたが
今年の夏も連日厳しい暑さが続いていますが、それに負けないくらい頻発しているのが、
空が急に真っ黒になって襲ってくる「ゲリラ豪雨」や都市型水害です。
ニュースなどで、道路のアンダーパス等で車が水没し、動けなくなっている映像を見るたびに「もし自分が巻き込まれたら……」と背筋が凍る思いがします。エンジン車であれば、
マフラーや吸気口から水が入ってエンストを起こし、そのまま命の危険につながる。
この恐怖から、今回の“思考の旅”が始まりました。
エンジンがないEVなら、水害に強いのでは?
まず頭に浮かんだのは、純粋な電気自動車(EV)の構造です。ガソリン車には不可欠な
「空気を吸い込む吸気口」も「排気ガスのマフラー」も、EVにはありません。
「じゃあ、バッテリーや基盤、配線を徹底的に防水・封止(ポッティング)してしまえば、EVは水害にめちゃくちゃ強い最強の乗り物になるのではないか?」
「リチウム系の電池は水と反応して危ないのでは?」という懸念もあるけれど、安定したリン酸鉄リチウムイオン電池を採用し、電装系を完全に密閉できれば、現在の不人気を吹き飛ばすEVの新しい強力なメリット(キラーコンテンツ)になるかもしれない……!
技術的なコストはかかっても、それが標準化されればコストも下がり、水害に怯える
ドライバーの救世主になる。そんな妄想を膨らませていました。
浮いてしまった車に「潜水艦の知恵」は使えるか?
しかし、さらに思考を進めると別の壁にぶつかります。車体が水に浸かり、タイヤが浮いて
コントロールを失ったらどうするか。
ここで出てきたのが、「あえて車内に水を取り込んで車重を増やし、タイヤを接地させて脱出する」という、潜水艦のバラストタンクのような逆転の発想です。
……が、これはすぐに破綻しました。車内に水が入ってきた瞬間、外部の水圧との差で
ドアが二度と開かなくなる恐怖や、高電圧を扱うEVのキャビンが水浸しになるリスクを
考えると、サバイバル映画のようにはいかない現実が見えてきます。
ならば伝説の軍用車「シュビムワーゲン」のように
泳げばいいのか?
車を重くするのがダメなら、第二次世界大戦中のドイツ軍が使った水陸両用車
「シュビムワーゲン」のように、スクリュープロペラをつけて水面を航行してしまえばいいのではないか?
モーター駆動が基本のEVであれば、独立した小型の水中スクリューを配置するのは構造的にも相性が良さそうです。「泳げるクルマ」というロマンの塊ですが、
歴史的なシュビムワーゲンが抱えていた問題に思い至ります。
シュビムワーゲンが直面していた現実
激流への無力さ: 穏やかな川なら進めても、現代の都市型水害のような「逃げ場のないアスファルトの濁流」の前には、プロペラがあっても流されてガードレール等に激突してしまう。
障害物のリスク: 浮遊するゴミや木の枝、マンホールの穴などにヒットすれば、
剥き出しのプロペラは一瞬で破損する。
軍用の特殊な状況と違い、一般のドライバーが日常で使うクルマにそれを載せるのは、
コストや安全性の面で現実的ではありませんでした。
結論:きれいにまとまらなかったけれど
「車を水に強くする」というロマンからスタートし、EVの防水、潜水艦のバラスト、そしてシュビムワーゲンのプロペラへと妄想を広げていきましたが、最終的にたどり着いたのは、いかに自然の猛威(水流・圧倒的な重さ)が凄まじいかという現実でした。
技術で車をどれだけ頑丈にしても、自然をねじ伏せることはできない。だからこそ、
自動車業界や私たちが目指すべきなのは「車を潜水艦にすること」ではなく、「危険な冠水路には絶対に近づかないこと」、そして「一早く逃げる仕組みを作ること」という、
当たり前だけど最も確実な結論に戻ってきました。
いいアイデアとして綺麗にまとまったわけではありませんが、こうして「クルマの限界と
ロマン」をあれこれと考えるプロセスそのものが、防災について深く考える良いきっかけになった気がします。










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