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水に覆われた地球は宇宙の奇跡
私たちの足元に広がる海。地球の表面の約7割を覆うこの広大な液体は、マクロな視点で
見れば、宇宙的にも非常に珍しい「安定的な化学物質が水溶した巨大な液体層(海水)」
です。
他の星の場合はどうだろう
太陽系のほかの星々に目を向けると、この「液体の水に満たされた世界」がいかに圧倒的な例外であるかが痛感させられます。月: 大気や強い磁場がほとんどないため、太陽風や隕石が直撃し、地表を流れる水は
存在できません。わずかに、日光が一切当たらない極域のクレーターの底(永久影)
などに「氷」として眠るのみです。火星: かつては温暖で、川や湖といった液体の水が豊富に流れていた痕跡
(渓谷や浸食地形)がハッキリと残っています。しかし、惑星が小さく内部が冷えて
磁場を失った結果、大気が剥ぎ取られ、現在は地表の液体が失われた不毛な赤茶色の星となっています。金星: 厚い二酸化炭素の大気による強烈な温室効果で、地表温度は約460℃、気圧は地球の約90倍という過酷な世界です。上空には濃硫酸の雲が漂い、地表に液体の水は一切
存在しません。土星: 地球のような岩石の固体の地面が基本的に存在せず、大部分がガスや液体の水素でできた「ガス惑星」です(なお、その衛星であるエンケラドゥスでは、南極側の亀裂から液体の水が宇宙空間へ間欠泉のように噴き出していることが確認されています)。
イオ(木星の衛星): 木星や他の衛星との引力による強烈な潮汐加熱を受け、太陽系で最も活発な火山活動が起きています。水は完全に失われ、地表は溶岩や硫黄に覆われた灼熱のマグマの世界です。
さらに、木星系の衛星には「地表」ではなく「地下」に目を向けると驚くべき世界が広がっています。エウロパ、ガニメデ、カリストといった木星の衛星たちは、表面こそカチカチに凍った厚い氷の殻に覆われていますが、その何十キロも下(地下)に、地球の海を超える
ほどの膨大な「液体の水の海」をたたえていることが確実視されています。
それを踏まえて、地球を考える
しかし、これら他の天体と比べても、地球は「太陽からの絶妙な距離に位置し、大気と磁場に守られ、地表に豊かな液体の水がチャプチャプとたたえられ、それが何十億年も循環し続けている」という、宇宙でも奇跡的なバランスの上に成り立っています。
数十億年にわたる地球のダイナミクスを経て、奇跡的なバランスで保たれてきたこの海の
システム。しかし今、私たちは地球規模の水不足を解決するため、この海から真水を取り
出す「脱塩技術」に挑んでいます。
この「脱塩」という人間の営みは、地球の壮大な化学バランスにどう影響するのでしょうか? そして、私たちが海から得られる塩や、これから訪れるかもしれない環境の変化は、
海の生き物や私たちの未来に何を投げかけているのでしょうか?
水について、注目します。
技術、化学、地球科学、そして生物の進化が交差する、壮大な「水の物語」を紐解いていきます。









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