曲面ディスクテスラタービン


1913年、天才ニコラ・テスラが発明したタービンは、シンプルゆえに無限の可能性を
秘めていました。しかし、100年以上経った今も、その真価は発揮しきれていないと
私は考えます。私の出願した特許(特願2025-151624)の背景にある、
この技術の歴史と課題をまずはご紹介します。


【書類名】明細書
【発明の名称】ターボ機械及びロータ部品
【技術分野】
 【0001】
 本発明は、ターボ機械、並びにターボ機械の製造に用いるためのロータ部品に関する。
【背景技術】
 【0002】
 1913年に、ニコラ・テスラによって、ロータシャフト上に複数の平板ディスクを等
間隔で配置したロータ構造を有するテスラタービン及びテスラポンプが発明された(特許
文献1、2)。
 【0003】
 テスラタービンは、複数の平面ディスクの間隙に外周から流体を供給し、流体が上記間
隙を外周から中心部に向けて移動する際に生じる境界層効果を利用してロータを回転させ
るものである。より詳細には、上記の複数の平板ディスクの間隙において、流体と平面デ
ィスク表面との間で流体の粘性作用により剪断力が発生し、その剪断力の周方向成分によ
ってロータが回転する。一方、テスラポンプは、テスラタービンと同様の構造を有するも
のであるが、所定の動力により上記ロータを回転させることにより、ディスクの中心部か
ら外周に向けて流体を移動させ、これを回収するものであるが、上述のような境界層効果
を利用している点においてテスラタービンとテスラポンプとは共通する。
 【0004】
 一般に、上記のような構成及び原理に基づくテスラタービン及びテスラポンプは、通常
のタービンやポンプと比較して、よりシンプルな構造により製造可能であることから製造
コストや手間を削減でき、低騒音性、多種の流体への適応性に優れる等のメリットを有す
る。加えて、テスラタービン及びテスラポンプは、従来のものと比較して、装置の小型化
が可能であると言う大きいメリットを有し、マイクロ化学プラントや人工心臓等を含む
々な用途や技術分野に利用可能性を有する。

 【0005】
 そして、1913年にニコラ・テスラが上記テスラタービンを発明して以来、各種改良
が施されたテスラタービンが提案されている。
 【0006】
 例えば、特許文献3並びに非特許文献1及び2には、上述のとおり複数のディスクが配
列されたロータを備えるテスラタービンの構造において、ディスク表面の中心部近傍の内
縁側にのみ、周方向に沿って、流体の方向を変化させるための翼列が円弧状に形成されて
なることを特徴とするテスラタービンが開示されている。特許文献3では、上述のような
構成によりディスク表面に翼列を設けると、この翼列の翼による流体の流れの方向の変更
や翼の両側での圧力差により、流体のエネルギーの複数のディスク(ロータ)の回転エネ
ルギーへの変換効率を向上させることができると言及されている。

【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
 【0010】
 しかしながら、従来のテスラタービンには依然として下記の欠点が存在する。即ち、上
述のとおり、テスラタービンをはじめとした境界層ターボ機械では、流体のエネルギーを
回転ディスクに伝達するために、流体と回転ディスク表面との間において摩擦力の発生が
必要不可欠である。そして、より強力な動力を生成するために、タービン内に配置される
複数の回転ディスクの間隔を狭めることによって、より大きい摩擦力の発生を確保するこ
とが試みられてきたが、回転ディスクをより高速に回転させると、回転ディスクの振動
発生することから、隣接する回転ディスク同士が互いに接触してしまい、回転ディスクの
破損を招き、理論上想定されるより高速な回転が達成できないという問題
が存在する。
 

【0011】
 そこで、本発明は、より高速な運転条件下でも、ロータにおける振動の発生を抑制でき
、その結果、優れた耐久性を実現できるターボ機械技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
 【0012】
 本発明の一の態様によれば、少なくとも1つのロータシャフト及び該少なくとも1つの
ロータシャフトに対し所定の間隔毎で配置された複数の回転ディスクを含むロータと、上
記ロータが収納されるケースと、を備え、上記複数の回転ディスクはそれぞれ、一方の面
において凹部を形成する湾曲面又は傾斜面を有し、上記複数の回転ディスクは、上記凹部
が左右対称に互いに対向するように配置された第1回転ディスク群と第2回転ディスク群
とを含んでなり、上記ケース内において、流体が、上記複数の回転ディスクの外周から中
心部に向かう方向又はその逆の方向で該複数の回転ディスクの間隙を通過し得るように構
成された、ターボ機械が提供される。

 【0013】
 さらに、本発明の別の態様によれば、少なくとも1つのロータシャフト及び該少なくと
も1つのロータシャフトに対し所定の間隔毎で配置された複数の回転ディスクを備える、
ロータ部品が提供される。
 なお、いくつかの実施形態において、上記ロータ部品は、上記態様によるターボ機械の
製造に用いるための部品である。
【発明の効果】
 【0014】
 本発明の実施形態によれば、従来技術と比較して、ディスク等の部材の破損が抑制され
ると共に、流体とディスクと間における流体流動エネルギーの受取効率が向上する。

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